閑散期をどう乗り切る?売上の波があるフリーランスの資金繰り対策

閑散期をどう乗り切る?売上の波があるフリーランスの資金繰り対策 資金繰りコラム

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この記事のポイント

  • 閑散期の苦しさは、売上が減った月ではなくその後の入金が少ない月にやってくる
  • 繁忙期のうちに、閑散期の分まで取り分けておく
  • 閑散期は「準備の時期」として計画的に使う

フリーランスの仕事には、多くの場合、波があります。年度末に依頼が集中する仕事、夏や年末に忙しくなる仕事、取引先の予算の都合で特定の時期に発注が減る仕事。繁忙期は休む間もないほど忙しいのに、閑散期は売上が大きく落ち込む、という人も多いのではないでしょうか。この記事では、売上の波があるフリーランスが資金繰りで困らないための考え方と、具体的な対策を紹介します。

まずは自分の「波」を知る

対策を考える前に、自分の売上にどんな波があるのかを把握しましょう。過去1〜2年分の月ごとの売上を書き出してみると、毎年同じような時期に売上が落ち込んでいることに気づくはずです。

このとき注意したいのは、売上の波と入金の波はずれるという点です。支払いサイトが1〜2か月ある場合、仕事が少なかった月の影響は、1〜2か月後の入金に表れます。閑散期の本当の苦しさは、仕事が減った月ではなく、その後の入金が少ない月にやってきます。

繁忙期のうちにやっておきたいこと

閑散期の分まで取り分けておく

繁忙期は入金が多く、つい気が大きくなりがちです。でも、その入金には閑散期を乗り切るための分も含まれていると考えましょう。繁忙期の入金があるたびに、一定の割合を「閑散期用」として別の口座に移しておくと、売上が落ちた月も慌てずに済みます。

大きな出費は繁忙期の入金後に

機材の買い替えや年払いの契約など、大きな出費が予定されている場合は、できるだけ繁忙期の入金のあとに行うよう計画しましょう。閑散期の入金が少ない時期に大きな出費が重なると、一気に資金が苦しくなります。

税金の支払い時期を確認する

繁忙期の売上が大きいと、翌年の税金も大きくなります。住民税や国民健康保険料は前年の所得をもとに計算されるため、閑散期に前年の繁忙期分の税金がやってくる、ということも起こり得ます。年間の納税スケジュールと閑散期が重ならないか、確認しておきましょう。

閑散期を減らすための工夫

繁忙期の異なる取引先を持つ

取引先ごとに忙しい時期が違えば、全体としての波は小さくなります。今の取引先と繁忙期がずれる業界や会社と取引を広げることを、少しずつ検討してみましょう。

継続的な仕事を組み合わせる

月額での保守や運用、定期的な記事の執筆など、毎月一定の収入が見込める仕事があると、閑散期の売上の底が上がります。単価は控えめでも、安定した収入源は資金繰りの土台になります。

閑散期に受けやすい仕事を用意する

閑散期でも依頼が来やすい仕事や、自分から提案できる仕事を準備しておくのも一つの方法です。過去の取引先に、閑散期に合わせた提案をしてみるのもよいでしょう。

閑散期の過ごし方

閑散期は、売上が少ない分、時間に余裕がある時期でもあります。この時間を、次の繁忙期や将来のために使うことができます。

  • 新しいスキルの習得や、実績のまとめ(ポートフォリオの更新)
  • 新しい取引先への営業や、既存の取引先へのあいさつ
  • 帳簿の整理や、確定申告の準備
  • 経費や契約の見直し

閑散期を「売上がなくて不安な時期」ではなく「準備の時期」として計画しておけば、精神的にもずっと楽になります。

それでも足りなくなったら

準備をしていても、想定以上に売上が落ち込んだり、予定外の出費が重なったりすることはあります。そのときは、次の順番で対応を考えましょう。

  1. 閑散期用に取り分けておいたお金を使う
  2. 支払いの時期を調整できないか、支払先に相談する
  3. 税金や保険料の分割納付について、税務署や自治体に相談する
  4. 入金待ちの請求書があれば、一時的に現金化することを検討する

四つめの方法は手数料がかかるため、閑散期のたびに使う前提にするのではなく、あくまで想定外のときのつなぎとして考えるのが大切です。毎年同じ時期に頼らざるを得ない場合は、繁忙期の取り分けや単価の見直しを優先しましょう。

閑散期用の取り分け額を計算してみる

閑散期のためにいくら取り分けておけばよいかは、次の手順で目安を出せます。

  1. 過去の売上から、閑散期の月の入金額の平均を出す
  2. 毎月必要な支出(事業の固定費と生活費)の合計を出す
  3. 「毎月の支出 − 閑散期の入金額」が、閑散期1か月あたりの不足額になる
  4. 不足額に、閑散期が続く月数を掛ける

たとえば、毎月の支出が30万円で、閑散期の入金が月15万円、閑散期が3か月続くなら、不足額は15万円×3か月で45万円です。これを繁忙期の月数で割れば、繁忙期に毎月取り分けておく額の目安になります。繁忙期が5か月なら、毎月9万円ずつ取り分けておけば、閑散期を乗り切れる計算です。実際には、余裕を見て少し多めに設定しておきましょう。

売上の波と入金の波のずれ(例)

支払いサイトが約1か月の場合、売上の波は1か月遅れて入金に表れます。

月その月の売上その月の入金状態
1月60万円40万円繁忙期の始まり
2月80万円60万円繁忙期
3月70万円80万円入金のピーク → ここで取り分ける
4月20万円70万円売上は落ちたが、入金はまだ多い
5月20万円20万円本当に苦しいのはここから

※ 金額は例です。

注意

4月は売上が落ちても入金が多いため、まだ大丈夫だと油断しやすい時期です。この時期の入金こそ、5月以降のために残しておきましょう。

まとめ

売上の波は、フリーランスにとって避けにくいものです。大切なのは、自分の波を知り、繁忙期のうちに閑散期の分まで準備しておくこと。そして、売上の波と入金の波のずれを意識しておくことです。波を小さくする工夫と、波に備える仕組みの両方で、閑散期を安心して乗り切りましょう。

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※ 本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。

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