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この記事のポイント
- 資金繰り表は「いつ・いくら入って・いくら出ていくか」を並べるだけで作れる
- 最低でも3か月先まで見通しておくと、対策を打つ時間ができる
- 続けるコツは、週に一度だけ決まった曜日に見直すこと
「資金繰り表を作りましょう」と言われても、会計の専門用語が並んだ複雑な表を想像して、手が止まってしまう人は多いと思います。でも、フリーランスや個人事業主に必要な資金繰り表は、もっとずっとシンプルなもので十分です。この記事では、表計算ソフトやスマホのメモでも作れる、いちばん簡単な資金繰り表の作り方を紹介します。
資金繰り表の目的はたったひとつ
資金繰り表の目的は、「この先、お金が足りなくなる日がないか」を事前に知ることです。利益がいくら出ているかを計算する表ではありません。あくまで、通帳の残高がこの先どう動くかを予想するための表です。
そのため、必要な情報は次の3つだけです。
- いつ、いくら入ってくるか(入金予定)
- いつ、いくら出ていくか(支払い予定)
- 今、口座にいくらあるか(現在の残高)
ステップ1:今日の残高を書く
まずは事業で使っている口座の、今日時点の残高を書きます。生活費と事業の口座が分かれていない場合は、とりあえず合計で構いません。ただ、後で説明するように、口座は分けておくほうが管理はずっと楽になります。
ステップ2:入金予定を書き出す
次に、発行済みの請求書を見ながら、入金予定を日付順に書き出します。
- 10月31日 A社 200,000円
- 11月10日 B社 80,000円
- 11月30日 A社 200,000円(予定)
まだ請求書を出していない仕事も、「この日に入金されるはず」という見込みがあれば、予定として書いておきます。ただし、見込みの分は確実ではないことが分かるように、印をつけておきましょう。
ステップ3:支払い予定を書き出す
続いて、出ていくお金を日付順に書き出します。ここで漏れやすいのが、毎月決まっていない支払いです。
- 毎月の固定費:家賃、通信費、サブスクリプション、国民年金など
- 仕事に連動する支払い:外注費、材料費、交通費など
- 時期が決まっている支払い:住民税、国民健康保険料、所得税、年払いの契約など
- 生活費:口座を分けていない場合は、生活費の引き出し分も
三つめの「時期が決まっている支払い」は、普段意識していないため、もっとも漏れやすい項目です。納付書や契約の更新通知を見ながら、忘れずに書き込みましょう。
ステップ4:日付順に並べて残高を計算する
入金と支払いを、ひとつの表に日付順に並べます。そして、今日の残高から順番に、入金なら足し、支払いなら引いていきます。表計算ソフトなら、「日付」「内容」「入金」「支払い」「残高」の5列を作れば完成です。
こうして計算した残高が、どこかの日でマイナスになっていたり、極端に少なくなっていたりしたら、そこが資金繰りの危険日です。
ステップ5:3か月先まで見る
資金繰り表は、少なくとも3か月先まで作るのがおすすめです。1か月先だけでは、対策を打つ時間がありません。3か月先に危険日があると分かれば、取引先との相談、支払いの調整、手元資金の積み立てなど、打てる手がたくさんあります。
危険日が見つかったときの対策
残高が足りなくなりそうな日が見つかったら、次の順番で対策を考えてみましょう。
- 支払いの時期をずらせないか(支払先への相談、分割払いなど)
- 入金を早められないか(請求書を早く出す、取引先への相談など)
- 今ある支出を減らせないか(不要な契約の見直しなど)
- それでも足りない場合の、一時的なつなぎの手段を検討する
四つめのつなぎの手段には、入金待ちの請求書を早めに現金化する方法などがあります。ただし手数料がかかるため、まずは一つめから三つめを検討するのが順番です。
作るときによくある失敗
入金予定を楽観的に書きすぎる
「たぶんこの日に入るだろう」と希望的な日付で書いてしまうと、表の意味がなくなります。支払いサイトが決まっている取引先は契約どおりの日付で、はっきりしない取引先は少し遅めの日付で書いておくのが安全です。土日や祝日に当たる場合、入金が前後にずれることもあります。
支払い予定をざっくりまとめてしまう
「生活費 月20万円」のように月単位でまとめてしまうと、月の途中で残高が足りなくなるタイミングを見落とします。家賃の引き落とし日、カードの引き落とし日など、大きな支払いは日付ごとに分けて書くのがポイントです。
税金を入れ忘れる
もっとも多いのが、税金や社会保険料の入れ忘れです。住民税や国民健康保険料は年に数回に分けて請求が来るため、納付書が届いた時点で、すべての納期を表に書き込んでおきましょう。確定申告の時期には、所得税の納付額も早めに見積もっておくと安心です。
続けるコツは「週に一度だけ見る」
資金繰り表は、作って終わりではなく、更新し続けることに意味があります。とはいえ、毎日更新するのは大変です。おすすめは、週に一度、決まった曜日に見直すことです。新しく出した請求書と、新しく決まった支払いを追加し、残高を確認するだけなら、10分もかかりません。
資金繰り表の記入例
実際の資金繰り表は、次のような形になります。表計算ソフトで同じ列を作れば、すぐに始められます。
| 日付 | 内容 | 入金 | 支払い | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 10/1 | 月初の残高 | 250,000 | ||
| 10/10 | カード引き落とし | 60,000 | 190,000 | |
| 10/25 | 外注費の支払い | 120,000 | 70,000 | |
| 10/27 | 家賃 | 80,000 | −10,000 | |
| 10/31 | A社から入金 | 200,000 | 190,000 |
※ 金額は記入例です。
この例で分かること
月末にはA社から20万円が入金されるので、月単位で見れば問題ないように見えます。しかし、10月27日の家賃の引き落とし時点で残高がマイナスになります。こうした「月の途中の危険日」を見つけられるのが、日付つきの資金繰り表の強みです。
まとめ
フリーランスの資金繰り表は、「いつ・いくら入って・いくら出ていくか」を日付順に並べるだけで作れます。3か月先まで見通せるようになると、お金の不安はぐっと小さくなります。まずは今日、手元の請求書と通帳を見ながら、3か月分の予定を書き出してみてください。
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参考・公式情報
※ 本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。


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